蒻崎今日子客演マダマダムーンプロデュース「兎の刻─トノコク─」について

蒻崎今日子が客演を予定しておりました「兎の刻─トノコク─」が延期となりました。

東北地方太平洋沖地震により被災された方々、ご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
4月8日(金)から予定しておりました、マダマダムーンプロデュース「兎の刻─トノコク─」公演は、
社会的状況、環境をふまえ、秋に延期することとなりました。
秋には、できるだけ、同じキャスティング、スタッフで、
そして、たくさんの皆様に、心から楽しんでいただける公演を行いたいと考えております。
詳細が決まり次第、マダマダムーンHP上でお知らせいたします。

なお、チケットをご予約、ご購入いただいていたお客様には払い戻しをさせていただきます。

一日も早い被災地の、日本の復興を願います。

マダマダムーン

これにより、蒻崎今日子の次回の舞台の予定は
劇団チョコレートケーキ『「十二人の怒れる男」「裁きの日」』となっております。

マダマダムーン「兎の刻─トノコク─」について新たな情報が決まり次第、
お知らせさせていただきます。

公演の記録など。その5

このたびの震災に際し、被災された方、ならびにその関係者に心からお見舞い申し上げます。 現実とは思えない被災状況をテレビで観るたびに心を痛めております。そのたびに僕らに何ができるんだろうと考えてきました。

結論から言えば、「何もできない」でした。

その思考過程については私の個人ブログに記載したので、よろしければ見てください。NOBLOG「こんなとき演劇ができること」

さていよいよJACROW#14『冬に舞う蚊』を振り返る日記もこの回をもって最後になります。私の不精により終演後、2ヶ月近くも掛かってしまい、申し訳ありません。

最後はオフショットになります。たくさんある中から厳選した3枚を紹介します。



↑ 前半、弁護士チームが川住建設に乗り込んで「告訴」を宣言するシーンですね。右端、美幸の抱えている風呂敷には夫、富島の遺影。だから後ろに立っているはずがないんです。幽霊を感じるみたいなアドリブで3人が遊んでるんでしょうか?富島哲平こと立浪伸一(はらぺこペンギン!)のお茶目なカメラ目線でした。




↑ その富島哲平をとことん追い込む川住建設営業一課の面々。西田課長代理がソファに足を投げ出しているところを見ると芝居中盤ですね。このシーンから富島くんの悲劇が始まるわけです。おそらくこれは朝美ちゃんこと堀奈津美(DULL-COLORED POP)が会社内部の時計の位置を確認してるところでしょう。客席側に壁があるという設定の場合、実際にはないものをある体で芝居することがあります。そのときに共演者同士がどこにあるか一致させとかなきゃいけないですから。




↑ 谷仲恵輔演じる坂本社長の落ちぶれバージョンですね。これ以上、説明はいらないでしょう。(笑)




ということで総勢12名でお送りしたJACROW#14『冬に舞う蚊(モスキート)』でした。

12名とも震災は無事だったようです。それが何よりでした。ただ関わっていた公演が中止になったり、予約キャンセルが相次いで客席がスカスカだったり、少なからず影響は受けているようですが。

もちろんまだ余震は続いてるし、原発の危険性がなくなったわけではないし、節電が必要な状況ではありますが、それでも演劇が好きで、演劇の可能性を信じ、少しでもお客様の心に何かを残そうと必死になっている彼らをぜひぜひ見捨てないでいただきたいなと。

演劇は映画と違い、瞬間芸術で保存することができません。今、観なければ、もう二度と観ることができない感動がそこにあるのです。予断を許す状況ではないことは重々承知してます。

それでも。だからこそ。

頑張れ日本。

公演の記録など。その4

前回投稿から1ヶ月半も空けてしまいました。すいません。
ということで『冬に舞う蚊』の記録写真シリーズのラストになりました。お待たせしました。

前回日記の続き、「イメージシーン(と現場で呼んでいたシーン)」の3枚です。このシーンにおける富島くんの追い詰められっぷりは、ある意味、演劇的に作りました。このウェット感はおそらくどこの企業も抱えている普遍的な空気だと思ったから。


初めは優しく接してくれた朝美ちゃんが、ストーカー疑惑で態度を180度変える。仲の良い同期だった竹下くんが逆恨みで冷酷に突き放す。社内で完全に逃げ場を失った富島くんです。



そこに追い打ちをかけるように坂本社長が現れ、会社が倒産したのは「お前のせい」だとなじる。
一般的な話、個人の勝手な行動が組織に悪影響を及ぼすことがあります。なので通常、サラリーマンは判断を上に委ねます。自分で責任を取りたくないから。
が、しかし、富島くんはそうはしなかった。さてどっちの人生が幸せなんでしょう?


 

最後のよりどころであった家族。家族が受け止めてくれたら起こらなかった悲劇も世の中には数多く存在するはずです。
残念ながら富島くんの場合、奥さんの実家が大変なことになったせいで、むしろ「しっかりしろ」だなんて説教される。鬱状態の人に「しっかりしろ」だとか「頑張れ」はNGワードであることは常識。頑張ろうとしてるのに頑張れないから辛いんです。
ということで富島くんはこの世界で唯一の帰る場所を失ってしまったという話。

心がポキンと折れたときの幻聴こそが「蚊(モスキート)」だったということがタイトルの意味。

タイトルを決めなきゃいけない期限(確か8月上旬)の日、たまたま聞いていた桑田佳祐のアルバム。流れていた曲は、大好きなナンバー「飛べないモスキート」。何を隠そうこの時にタイトルが思い浮かびました。ただ元々は「モスキート」だけだった。何となく嫌な幻聴を蚊の飛ぶ音になぞらえてネーミング。でも「モスキート」だけだとなんか響きがシャープすぎるなあと思い直し、修飾語を付けた次第。

とまあそんな感じで長々と振り返ってきた記録写真シリーズはこれで終了。次の更新で集合写真とオフショットを公開して終わりにします。しばしお待ちを。


1