『消失点』終幕の御礼【長文です】

JUGEMテーマ:演劇・舞台

中村です。
JACROW#19『消失点』、17日をもって無事千秋楽を迎えました。
おかげさまで全ステージ、ほぼ満席状態だったため、お客様のたくさんの「感情」が混ざって作品を仕上げることができました。心から御礼申し上げます。ありがとうございました。

今回の作品に関して、今だから話せることをいくつか。この文章を読んでるあなただけの秘密にしといてくださいね(笑)

1月末に企画が変更?
今回、本公演するにあたって吉水に脚本を任せようということは昨年の秋には決めてました。それはJACROWの作品の幅を広げるために、劇団としての強度(多様性)を増加させるために、そして何より俺の負担を減らすために(苦笑)
で、最初に走らせた企画は、なんていうか「遅れた青春もの」とでも呼ぶべきもので、1月末に冒頭15分くらいの脚本を読んだんだけど、俺は愕然としたわけです。「これはヤバい」と(苦笑)
あ、吉水の名誉のために言っておきますが、脚本が面白くないというより、企画が薄っぺらだったんですね。それもそのはず、吉水にとっては当て馬的に書いた企画をメンバー一同が選ぶという、彼女にとっては予想だにしなかった結果に、戸惑いながら書いた脚本だったから。
で、そのときに俺は判断しました。「企画を変えよう」と。元々、吉水が「書きたい」と言っていた【ネグレクト】をテーマにした作品にしようと。今考えると、そういう冷静な判断をしたその時の俺を褒めてあげたいです。だってその判断がなければ、この作品は生まれなかったわけだから。
あ、だから、前回公演『PRESS』のときに挟まっていた仮チラシと内容がなんだか異なってます。覚えている人はいないと思いますが(笑)

稽古終盤に演出変更?
作品を観てもらえた人にはお分かりかと思いますが、今回は刑事(男)と息子、被疑者(女)と娘、それぞれの親子関係を写し鏡のように反射させながら物語が進行していく二重構造になってます。その二重構造というのがミソで、2つの話を理解させながら成立させなければならないバランスの難しさがあるわけです。
で、実はそのバランスの大部分は脚本でカバーされてるわけです。吉水がうまく時空間を飛ばしながら2つの話を行ったり来たり書き分けてくれてたので。なので、演出家としては安心してそこに乗っかって作品作りをしていたわけです。
が、どうしてもクライマックスシーンが引っ掛かるわけです。被疑者(女)の方に比重が偏ってると思ってしまったんですね。もちろん、それはそれで成立はしてるわけです。事実、通し稽古はほとんどそのまま行ってましたから。でもここまでいいバランスで進んでるからこそ、こだわりたいと思ったんですね。二重構造の美学に。
で、小屋入り2日前に加えた演出変更点が、刑事と被疑者を暗転とノイズ音で入れ替え、繰り返すというシーンです。あれ、実は、その前々日の飲みの席で思い付き、1日掛けて頭の中で熟成させて生み出したシーンです。かなり締まった気がするんですがどうですかね?
で、小屋入り1日前(つまり稽古最終日)に加えた変更点が、オーラスのタイトルコールです。発想のきっかけは吉田テツタさん(署長さんを演じた人)です。彼が「刑事が主役なら最後は刑事と被疑者の2人が舞台にいなきゃいけないんじゃないか」と意見してくれたわけですね。なるほど、確かに!・・・で、あれ。一気にJACROWっぽくなったでしょ(笑)

L鮗埣翅爾悗留藹个話がしたのか?
これ、みんなに聞かれました。ではお答えします。
答えは「全員」です。全員に色々言ってもらいました。
いやー役者の皆さん、ここぞとばかりに色々言ってくる言ってくる。納得できるアドバイスもよくわからないアドバイスも含めて色々。まあでも俺がそうして欲しいと思ったので、そういうスタイルでやり切りました。みんなの言葉をシャワーのように浴びたかったんですね。で、結果、どういう芝居をするか、自分で自分を追い込んでみたくて。だからみんなに好き勝手言わせました。
で、ああいう芝居になったわけです。
だから、ああいう芝居にしたかった、というより、みんなの意見を聞いた結果、自然と出てくる演技を信じようという演出家としての判断をしたわけですね。わかるかな?

千秋楽の打ち上げで、前述の吉田テツタさんがこう言ってくれました。
「JACROWが劇団化して僕は本当に嬉しい。もっともっと劇団として頑張ってほしい。頑張れ!JACROW!」って。照れ笑いしながら(笑)

めっちゃ嬉しかったです。
「まだまだできることがあるぜ」という叱咤激励でもあると思ったので。

次回は10月上旬にサンモールスタジオです。詳細は7月頃には発表できると思います。
乞うご期待。だって「まだまだできることがある」JACROWの代表作になりますから。
 


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コメント

初日にずうずうしくも飲み会まで参加させていただいた塩谷です。お疲れさまでした!
本当に面白かった裏にはそんな切磋琢磨があったんですね。押し付けがましい演出は一切なかったのにやたらと1日考えました。次も楽しみにしてます!

  • 塩谷麻美
  • 2015/05/20 20:22
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