JACROW#16『パブリックリレーションズ』で得たものメモ。

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非常に個人的。

先輩の言葉や自分の気づき。

すべては宝。


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■常に心理と反対の何かを持つ。
反発し合う何か。

■緊張は宝物。ストレスもまた然り。不用意に動かない。

ここぞという時に一撃。

これはJACROW『明けない〜』の直後、DULL-COLORED POP vol.8のマリー2ndの先穐楽前にとある先輩からも言われたなぁ、思い出した。

■稽古場でどれだけ傷つくか。戦いは稽古初日から始まっている。
稽古は本番のように、本番は稽古のように。

■舞台上を『怖い』と思う気持ちが大きくなければ先輩には勝てない、追いつけない。

■演出家的ともいえるな、広い視野・冷静な目線があれば、よりパワーをぶつけられる。役の輪郭が厚くなる。大きさが広がる。

■役の人生を、その舞台上に乗っている以降まで考える。これは自分がよりその役を愛する秘訣に私は感じる。
深まる。

■負けず嫌い精神。先輩にも後輩にもプレッシャーにも負けない。自分は自分でしかない。のだ。

■幕は開く。どんなコンディションでも本番にベストな集中力を持ってく回路。

■改めて、“諦める”ことの大切さ。
以前時間堂で得たもの、再認識。

■影響を与えること。与えられること。丁寧に。居る。存在する。ライブを。


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JACROWを見に来てくださった皆様、応援してくださった皆様、誠にありがとうございました!

また劇場にて、お会いいたしましょう。

堀奈津美(DULL-COLORED POP)

no title

お芝居はムツカシイ。

いーっぱい考える。

いーっぱい傷つく。

いーっぱいぶつかる。

でも、
こんな時間まで語れるほどにおもしろい。奥深い。


さぁ、今夜も立とう。


堀奈津美

公演の記録など。その5

このたびの震災に際し、被災された方、ならびにその関係者に心からお見舞い申し上げます。 現実とは思えない被災状況をテレビで観るたびに心を痛めております。そのたびに僕らに何ができるんだろうと考えてきました。

結論から言えば、「何もできない」でした。

その思考過程については私の個人ブログに記載したので、よろしければ見てください。NOBLOG「こんなとき演劇ができること」

さていよいよJACROW#14『冬に舞う蚊』を振り返る日記もこの回をもって最後になります。私の不精により終演後、2ヶ月近くも掛かってしまい、申し訳ありません。

最後はオフショットになります。たくさんある中から厳選した3枚を紹介します。



↑ 前半、弁護士チームが川住建設に乗り込んで「告訴」を宣言するシーンですね。右端、美幸の抱えている風呂敷には夫、富島の遺影。だから後ろに立っているはずがないんです。幽霊を感じるみたいなアドリブで3人が遊んでるんでしょうか?富島哲平こと立浪伸一(はらぺこペンギン!)のお茶目なカメラ目線でした。




↑ その富島哲平をとことん追い込む川住建設営業一課の面々。西田課長代理がソファに足を投げ出しているところを見ると芝居中盤ですね。このシーンから富島くんの悲劇が始まるわけです。おそらくこれは朝美ちゃんこと堀奈津美(DULL-COLORED POP)が会社内部の時計の位置を確認してるところでしょう。客席側に壁があるという設定の場合、実際にはないものをある体で芝居することがあります。そのときに共演者同士がどこにあるか一致させとかなきゃいけないですから。




↑ 谷仲恵輔演じる坂本社長の落ちぶれバージョンですね。これ以上、説明はいらないでしょう。(笑)




ということで総勢12名でお送りしたJACROW#14『冬に舞う蚊(モスキート)』でした。

12名とも震災は無事だったようです。それが何よりでした。ただ関わっていた公演が中止になったり、予約キャンセルが相次いで客席がスカスカだったり、少なからず影響は受けているようですが。

もちろんまだ余震は続いてるし、原発の危険性がなくなったわけではないし、節電が必要な状況ではありますが、それでも演劇が好きで、演劇の可能性を信じ、少しでもお客様の心に何かを残そうと必死になっている彼らをぜひぜひ見捨てないでいただきたいなと。

演劇は映画と違い、瞬間芸術で保存することができません。今、観なければ、もう二度と観ることができない感動がそこにあるのです。予断を許す状況ではないことは重々承知してます。

それでも。だからこそ。

頑張れ日本。

公演の記録など。その4

前回投稿から1ヶ月半も空けてしまいました。すいません。
ということで『冬に舞う蚊』の記録写真シリーズのラストになりました。お待たせしました。

前回日記の続き、「イメージシーン(と現場で呼んでいたシーン)」の3枚です。このシーンにおける富島くんの追い詰められっぷりは、ある意味、演劇的に作りました。このウェット感はおそらくどこの企業も抱えている普遍的な空気だと思ったから。


初めは優しく接してくれた朝美ちゃんが、ストーカー疑惑で態度を180度変える。仲の良い同期だった竹下くんが逆恨みで冷酷に突き放す。社内で完全に逃げ場を失った富島くんです。



そこに追い打ちをかけるように坂本社長が現れ、会社が倒産したのは「お前のせい」だとなじる。
一般的な話、個人の勝手な行動が組織に悪影響を及ぼすことがあります。なので通常、サラリーマンは判断を上に委ねます。自分で責任を取りたくないから。
が、しかし、富島くんはそうはしなかった。さてどっちの人生が幸せなんでしょう?


 

最後のよりどころであった家族。家族が受け止めてくれたら起こらなかった悲劇も世の中には数多く存在するはずです。
残念ながら富島くんの場合、奥さんの実家が大変なことになったせいで、むしろ「しっかりしろ」だなんて説教される。鬱状態の人に「しっかりしろ」だとか「頑張れ」はNGワードであることは常識。頑張ろうとしてるのに頑張れないから辛いんです。
ということで富島くんはこの世界で唯一の帰る場所を失ってしまったという話。

心がポキンと折れたときの幻聴こそが「蚊(モスキート)」だったということがタイトルの意味。

タイトルを決めなきゃいけない期限(確か8月上旬)の日、たまたま聞いていた桑田佳祐のアルバム。流れていた曲は、大好きなナンバー「飛べないモスキート」。何を隠そうこの時にタイトルが思い浮かびました。ただ元々は「モスキート」だけだった。何となく嫌な幻聴を蚊の飛ぶ音になぞらえてネーミング。でも「モスキート」だけだとなんか響きがシャープすぎるなあと思い直し、修飾語を付けた次第。

とまあそんな感じで長々と振り返ってきた記録写真シリーズはこれで終了。次の更新で集合写真とオフショットを公開して終わりにします。しばしお待ちを。


公演の記録など。その3

さて第3弾。
後半も後半。それまで課長&課長代理だけだったパワハラが一気に全員から始まるシーン。この急変ぶりがちと腑に落ちないと数人から意見をもらったりもらわなかったり。
でもそれこそ狙い通り。だって友人知人が人間が変わったようになること、経験ないですか?昨日までは仲良かったのに急に無視されだしたり。それこそその急変ぶりが腑に落ちなくて。
そう、人間関係なんて些細なことで180度変わったりするもんです。もちろんここまで全員からというのは実際にはないかもしれませんが・・・



それまで大人しかった志賀くんが急に牙を向くシーンですね。いわゆる集団狂気ってやつです。集団が異常になってくると、異常が正常になってくる、みたいな。子どものいじめと同じ構造。いじめに加わらないと自分がいじめられると思って加害者に加わる話。



そしてその志賀くんが弁護士たちに正義を問い詰められるところ。3人でよってたかって正義を問い詰めると志賀くんはあっという間に折れてしまう。上のシーンとは真逆の立場で同じことをするという皮肉な男。すべては志賀くんが「長いものに巻かれる性格」という人物設定ならでは。



現場では「イメージシーン」と呼んでいた富島くん、地獄のパワハラシーン。
鬼のような形相の富島くん。もちろんメイクを施してます。これがまた効果てきめん。実はこのシーンは上の1枚目、2枚目のシーンから3ヶ月近く経っているという設定なので、相当に鬱になっていなきゃいけないんだが、これをまあ富島くんを演じた立浪伸一の演技力とメイクの技術で補ったわけです。いやもしかしたら補ってないかもしれないが、でも少なくとも被害者への同情心は芽生えたはず。
悲劇は常に「自分が当事者だったら?」という視点で観られてなんぼだと思うんで。

ということで記録写真シリーズはいよいよ次回で最後。お楽しみに。


公演の記録写真など。その2

で早速第2弾。

序盤での状況説明が終わり、物語が動き始めるシリーズですね。
観た人にとっては「ああ、あのシーン」とすぐ分かるでしょう。


弁護士チームが不審な振込用紙を見つけ、それを手がかりに役人城山を追求しているところ。
このシーンの初稽古は忘れられないなぁ。普段、私はあまり饒舌にしゃべる方じゃないのだが、この日だけはなんだかテンションが高くて、弁護士役の今里や役人役の祥野にあれやこれやと語ったことを鮮明に覚えている。
まあ、こういった心理戦みたいな会話劇を書くのも演出するのも好きだってことだからかな?



富島夫妻の会話シーン。
笑顔が溢れているということはまだ妻の実家は大丈夫だと言うことだろう。
会社の「不正」に対して、美幸ならどうする?って富島が尋ねているところ。
とにかく、この二人は似た者夫婦という設定だった。「正義感」が強く、「お節介」で、だからやや「自分本位」なところがある二人。二人の性格ゆえの悲劇として描きたかったからだ。

 

そして同期の竹下に相談の電話をする富島。
竹下のキャラをチックにするアイディアを持ってきたのは橋本だ。神経質でストーカー。富島のことを「自分とは違う人間」と切り捨てるタイプという設定から、彼が産み出した癖。これがまた気持ちいいくらいに気持ち悪い。w
竹下は、電話では良いこと言っていても、その表情は悪意に満ちていました。人間って怖いなと思えるシーンでした。

ということで徐々に富島が悲劇への階段を登り始めるところの3枚。
「それ」と気付かないうちに抜け出せなくなっている蟻地獄だと思うんですよ。パワハラって。
意図していないのに自ら落ちていく不条理。このメカニズムも書きたかったことのひとつだったりしました。

中村@JACROW代表

公演の記録写真など。その1

お待たせしました。
JACROW#14『冬に舞う蚊』の記録写真を公開します。
まずは第1回。
川住建設がまだまだ平和だった頃の写真。


冒頭です。富島くんが営業一課に配属され挨拶をするシーンですね。
遠藤課長の偉そうな態度が今後の二人の関係を予感させます。
それにしても西田課長代理の後ろ姿はめっちゃ迫力があります。



JACROWではお馴染みタイトルコールのシーンですね。
幻想的な青がなんだか不安感を助長させます。
富島くんの顔だけなんだか光ってるし。


 

坂本社長がやってきてセクハラトーク。そしてそれをさらりと受け流す野村さん。
個人的には、こういう下ネタを(表面上は)嫌がりもせず、場の空気を読んで盛り上げる女子はたくましいと思う。

とまあこんな感じでその1は終わり。
その2をお楽しみに。

のぶりん@JACROW

公演終了のご挨拶

遅くなりましたが、JACROW#14『冬に舞う蚊』、すべて終了したので、ここにご挨拶申し上げます。

おかげさまで連日満席でした。正月早々ということもあり動員に苦しむだろうと予想していたので嬉しい悲鳴を上げさせていただきました。

うぎゃー!!

・・・・・ゴホン。

ご来場いただいた方、ホントにどうもありがとうございました。新年早々、ヘビー級パンチを受けていただき、心から感謝いたします。ノックアウトされた方もノックアウトされなかった方も、ホントにホントにどうもありがとうございました。

個人的にはよくある「ご来場いただけなかった方にも・・・」というフレーズは好きじゃないので、あえて言わせていただきます。

ご来場いただけなかった方、心の底から悔しい思いをしてください。ものすごい作品を観れなかったんです。お悔やみ申し上げます。残念でした。あ、ちなみに次回もものすごい作品ですから、今度は見逃さないでくださいね。

ということで、感想コメントもたくさんいただいてます。
CoRich「観てきた!」 ← リンク先を見てください。

千秋楽の朝に書いた稽古場blogの「何か」をそれぞれが感じてくれたみたいでもうそれだけで感謝感激です。賛否含めすべてのコメントにありがとうございますと言いたいです。


最後になりましたが、関係者の皆様、ホントにお疲れ様でした。
みんなが正月返上で取り組んでくれたことに深く深く感謝いたします。
みんなの演劇★LOVEで支えられた作品だったなあと本当に思いました。


さてそのうち公演写真なんかもアップするのでお楽しみに。とにもかくにもありがとうございました。

蚊はまた夏に舞うことにします。

JACROW代表 中村暢明

蚊は泣かずして飛んで。

JACROW#14
『冬に舞う蚊』

無事に公演終了しました。
ありがとうございました。

連日満員御礼、なんとまあ、ギチギチな状態の中、しかと御覧頂いた方が大変多く、かつ、好意的な御意見を沢山頂き、感謝しきりでございます。


パワーハラスメントとは。
それ以前に、そもそもハラスメントとは。

様々な御意見を頂き、もちろん、稽古をしながら、皆で酒をあおりながら、多岐にアプローチが交差しました。


時代はとかく優しい。
今はとにかく優しい。
だからこそ、余計に目の前に起こる事象に苛立ち、悩み、しかし、表に裏をさらけ出せない世の中になりつつあります。

大変、恐ろしいです。
まだ、そういう意味では芝居を含む全ての芸術には、常にチャンスがあります。

今回はそんな世の中での戦いを描いていたのではないかと。
話を、というよりも、目の前に起こるものに対する挑みを描いていたのではないかと思います。


あくまで私感ですが、いかがでしたでしょうか。

また御会いした時に、感想など、お聞かせ願いたいと思います。



一先ずは、しっぽり、お酒を飲ませて頂いております。

また、明日。
辛い世の中ですが、辛いとわかれば戦うのみです!
お互い頑張りましょう、と言わせて下さい。


ありがとうございました。


谷仲恵輔

本日千秋楽を迎えます

『冬に舞う蚊』、本日千秋楽を迎えます。
去年の『窮する鼠』からずっと芝居漬けだったので俺にとってはまだ2010年が続いてる感覚。しかも『窮する鼠』で上演した1本の短編が今回の作品の序章的位置づけでもあったので、なんかもう8月からずっとパワハラのことを考え続けた5ヶ月だった。

パワハラのメカニズム。パワハラをする人、される人、その周りにいる人、その家族。あらゆる視点から考え続けた5ヶ月。それは10年連続年間自殺者3万人超という事実を前にして、それを見過ごすことができないという強い衝動で取り組んできただけであるのだが。

『冬に舞う蚊』は本日で終わりになりますが、現代日本の抱えるパワハラ問題はまだまだ続きます。観てくれた人が少しでも「何か」を持って帰ってもらえたら作者としてこれ以上の喜びはありません。

本日は前売り券、当日券ともに売り切れ。すべてキャンセル待ちになります。よろしければ本日13時以降、劇場ロビーにお問い合わせいただきますとチケットの最新状況が分かります。03−3350−0335までお電話ください。

俺にとっては今日が大晦日。終了の鐘を突いてきます。
ありがとうございました。 

JACROW代表 中村暢明